首・肩・腰・膝など症状のある方

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肩が痛くて挙がらない方へ

上腕骨頭(じょうわんこっとう)の代わりに
脊柱(せきちゅう)と肩甲骨(けんこうこつ)の機能を高めることで肩は挙がり易くなります。

3つの知っておいてほしいこと

1. 肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)があっても、
もしくは肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)が不動でも、
脊柱(せきちゅう)や肩甲骨(けんこうこつ)などの機能を 高めることで肩は挙がり易くなります。

運動器超音波検査やMRI検査で肩腱板断裂を認めても 肩が挙がる人はたくさんいます。運動器超音波検査やMRI検査で肩腱板断裂を認めても 肩が挙がる人はたくさんいます。
腱板が完全に切れていても、中には肩が挙がる人もいます。
腱板が全てを担っているわけではないことが分かります。
腱板の機能を代償する脊柱や肩甲骨の機能が重要です。


肩外転機能X-p検査で肩甲上腕関節の不動を認めても 肩が挙がる人はたくさんいます。

肩外転機能X-p検査で肩甲上腕関節の不動を認めても 肩が挙がる人はたくさんいます。

肩が挙がるのは 脊柱や肩甲骨、鎖骨などが協調して運動した結果です。

腕だけが動いて 挙がっているのではありません。肩が挙がるのは 脊柱や肩甲骨、鎖骨などが協調して運動した結果です。

2. 上腕骨(じょうわんこつ)を振り回せば振り回すほど 痛みは強くなり 肩は挙がり難くなります。

いわゆる“腕”(=上腕骨)を振り回す運動は危険です。 腕を振り回さないで下さい。
腱や滑液包が挟まれたり 上腕骨頭が亜脱臼したり 軟骨を傷つけたりします。

【以下の事項は避けて下さい】

  • 腕を振り回す
  • 非予測的瞬発的強力的動作
  • 重たい物を持つ
  • ズボンを力いっぱい引き上げる
  • 筋肉や痛いところを押したり揉んだりする
  • 肘や手を身体の後ろへ引く動作
  • 横の物にひょいと手をのばす
  • どれくらい上がるようになったかを頻繁に確認する
  • ついしてしまう痛い動作
  • 横方向や後ろ方向に手をのばす
  • 手や肘を床などに強くつく

などは避けて下さい。

【以下の事項に気をつけて下さい】

  • 服を着るときは痛い方の腕から通して痛い腕を挙げずに着る
  • 服を脱ぐときは痛くない方から脱いで痛い腕は挙げずに脱ぐ
  • ブラジャーのホックは身体の前で脱着する
  • よく使用する高いところの物は下に設置する
  • 横の物を取るときは身体を目標物へ向けてから目の前で取る

などに注意して下さい。

3. 脊柱(せきちゅう)と肩甲骨(けんこうこつ)を動かせば痛みは楽になり肩は挙がり易くなります。

脊柱(せきちゅう)と肩甲骨(けんこうこつ)を動かせば痛みは楽になり肩は挙がり易くなります。くどいようですが、 肩が挙がるのは脊柱や肩甲骨、鎖骨などが協調して運動した結果です。
腕だけが動いて挙がっているのではありません。
肩が挙がるためには 脊柱や肩甲骨、鎖骨などの協調した運動が必要です。
脊柱や肩甲骨、鎖骨がしっかり動けば 腕はそれらに誘導されるかのように楽に挙がります。


肩を挙がり易くするために以下の運動が特に重要です。

  1. 脊柱の伸展・回旋・側屈
  2. 肩甲骨の内転・後傾・下制
  3. 鎖骨の後退

医院内で行った体操を自宅でも行って下さい。

また、肩を挙がり易くするために 肩峰(けんぽう)と上腕骨頭(じょうわん・こっとう) の間にスペースが必要です。

腱や滑液包が挟まれたり 上腕骨頭が亜脱臼したり 軟骨を傷つけたりします。
上腕骨頭の亜脱臼・前上方偏位の改善・維持・エクササイズの方法の確立がまだ課題です。
ときどき亜脱臼してしまい、痛かったり痛くなかったりします。


猫背だと脊柱や肩甲骨、鎖骨が十分に動けませんし肩峰と上腕骨頭の間にスペースも生まれません。
棘上筋腱が 肩峰や烏口肩峰靭帯に圧迫されます。
もし、猫背のまま、脊柱や肩甲骨、鎖骨が十分に動けないときに 無理に上腕骨を振り回せば、肩峰と上腕骨頭がぶつかり合うことになります。
そうすると、 断裂した腱がより傷んだり周囲の傷がより傷んだり上腕骨頭が前上方へ亜脱臼したりするなどの危険があります。


とにもかくにも 脊柱や肩甲骨、鎖骨の体操が大事です。
脊柱や肩甲骨、鎖骨が動けば 腕はいつの間にか楽に挙がり易くなります。

院長先生の例え話...

脊柱や肩甲骨は阿弥陀様のようなものです。私たち上腕骨は阿弥陀様におすがりすれば、阿弥陀様が正しい道へと導いてくれるのです。
私たち上腕骨はもがいたり、頑張りすぎたりしなくていいのです。
阿弥陀様におすがりする気持ちでいましょう。肩は脊柱や肩甲骨が挙げてくれます。

研究中の課題

上腕骨頭が亜脱臼や前上方偏位してしまったものをどのようにして戻すかが未だ研究中です。
また、戻した後に、その適合した位置を維持するにはどの筋肉を鍛えればいいのか、どんなエクササイズをすればいいのかが未だ研究中です。
亜脱臼・前上方偏位したままでの腕の振り回しは危険です。


解剖 用語の解説

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